馬也ホースレーシング

一口馬主・馳走(はせ・はしる)のブログです。シルクHC・ノルマンディーOC・DMMバヌーシーにて出資中。シルク2021年産・ターコイズフリンジ命名。競馬以外の話題はnoteにて発信中。 https://note.com/machino_sokoyori

【ウマ娘】シンデレラグレイ47R 貴女はいったい何ービン、そして何ザバトラーなんだ??

 オグリとタマの秋の天皇賞を週刊少年漫画のスポーツものくらいみっちり時間をかけてやったので忘れていましたが、これこそアニメも含めた「ウマ娘」のテンポ感ですね。ワタクシはとても好きです。

 

 amazonでも最新コミックス4巻の予約が始まっています。

また店頭から消えるかもしれないんで、さっさと予約しておいた方がいいと思います。なくなってから騒ぎ立ててもドモナラズですしね。

 

 さて、今回もヤンジャンアプリで購読可能な「シンデレラグレイ」ですが、

ynjn.jp

 4コーナーでのスーパークリークのイン突きがズバッと決まって、回想を交えつつ菊花賞はあっさりと決着、果たしてスーパークリークが領域に入ったのかどうかは語られずじまいでしたが、ヤエノムテキの瞳の描写とスーパークリークのそれを見比べると「入ってんじゃね?」と思わなくもないですが、ここで詳述しないということはもう少し先の話の伏線になっているのでしょう。

 

 で、スーパークリークの強さ、ひいては若き日の武豊騎手の強さの秘訣を「圧倒的な頭の回転」と喝破した描写は実に見事でしたね。武豊騎手は、このレース以降も京都外回りの4コーナーで、ラチが切れるポイントを巧みに使って内をすくう好騎乗を何度も見せていますが、これは佐藤哲三さんの騎乗解説から言葉を借りれば「途方もない仕込み」が必要な芸当で、位置取り・馬とのコンタクト・相手との駆け引きをそれこそ2コーナーくらいから積み重ねたうえで「ここしかない」というところを衝かなければならないスーパーテクニックです。

 

 それこそろっぺいさんのセリフではないですが、こうやって文字にできるのはワタクシが「外野だから」であるからにほかならず、そういう繊細で大胆な勝負を超高速で繰り広げているのが競馬であるということが伝わってくるいいエピソードだとワタクシは思いました。

 

 そして、あっという間にジャパンカップ直前まで時間が進み、海外バが続々来日するところで今回は終わりとなりますが、トニビアンカさん、このウマ娘のモデルはもはや説明するまでもない、88年の凱旋賞馬で、史上初めてジャパンカップに参戦した凱旋門賞馬でもあり、ウマ娘的にはエアグルーヴやウイニングチケットのお父ちゃんでもあるトニービンなわけですが、何となく冷たそうな態度のわりに実はいい人っぽい感じがワタクシは好きです。

 

 トニービンの現役時代のオーナーはイタリアの実業家、ルチアーノ・ガウチ氏でした。サッカーが好きな人はこの名前を聞いてピンと来たのではないでしょうか。かつてセリエA・ACペルージャの名物会長だった人物です。

 

 ガウチ氏は、トニービンで凱旋門賞を制した賞金と(当時の賞金額は日本円で7000万円くらいで今ほど高額ではないですが)、種牡馬として社台グループに売却した利益で(むしろこちらの方がメイン)ペルージャを買収したのですが、この10年後、まさか日本人プレーヤーである中田英寿がこのクラブに加入するとは、もちろんこの当時は知る由もなかったわけでございます。

 

 そんなトニービンをモデルにしたトニビアンカさんも、このジャパンカップの後は日本に移り住んでくるのでしょうか。たまに出てくるコメディリリーフとして重宝しそうな感じもしますね。

 

 そして遅れてやってきたアメリカウマ娘、こちらがむしろ今回の、さらにその先の物語でもキーパーソン(ウマ娘にパーソンも変な話ですが)となりうる、88年のジャパンカップ優勝馬ペイザバトラーと思われます。

 

 原作のペイザバトラーは、88年のジャパンカップでは単勝9番人気。決して注目されていた存在ではありませんでした。成田に着いたときにマスコミがいなかったのは、それを表しているのでしょう。

 

 ペイザバトラーは翌89年のジャパンカップでも来日し、ホーリックスとオグリキャップの世界レコード決着の後ろで3着に健闘します。その後は目立った成績を残すことなく、オグリキャップと同じく1990年シーズンを最後に引退して、日本での2度の好走を買われて種牡馬として日本に輸入されるも、わずか1世代を残して早世してしまいました。それでもその1世代の中から函館記念の勝ち馬パルブライトを輩出したのですから、日本の馬場には本当に合っていたのでしょう。

 

 なお、タマモクロスと平成三強(オグリキャップ・スーパークリーク・イナリワン)の4頭すべてに先着を果たした馬は、日本国内外を含めてこのペイザバトラーのみです。

 

 そして、このペイザバトラー(仮)さん、シンデレラグレイの本編でももしかしたらさらに深く関与してくるかもしれません。それは、1990年のオグリキャップ米国アーリントンミリオン遠征計画に関して…ですが、原作のこのエピソードは例によって人類はおろか案件なので、ウマ娘の世界観では描きづらいものですが、この娘をうまく使うことで、しっかりとエピソードとしては押さえつつ、後味は悪くならずに済みそうな気がします。

 

 お盆シーズンに突入し、今回の掲載号が合併号のため、次回はまた2週間後となりますが、引き続き楽しみなポイントが多い作品ですね。