馬也ホースレーシング

一口馬主・馳走(はせ・はしる)のブログです。シルクHC・ノルマンディーOC・DMMバヌーシーにて出資中。シルク2021年産・ターコイズフリンジ命名。競馬以外の話題はnoteにて発信中。 https://note.com/machino_sokoyori

【ウマ娘】シンデレラグレイ24R オグリキャップという馬は、時代を超えて・次元を超えても議論を巻き起こす。

 6月から連載が始まった『ウマ娘 シンデレラグレイ』も、今年の分は来週含めてあと2回となり、今回はヤエノムテキの皐月賞制覇と、それによって巻き起こるオグリキャップをめぐる世間のザワつきが描かれました。

 

 今週も、ヤンジャンアプリで無料で読めますので、読んだらすぐにアンケートを出しましょう。おじさんとの約束だ!

ynjn.jp

 

 今週の感想を一言でいえば、藤井「泉助」…だと!?

 

この一言に尽きますね。やはり藤井のモデルには故・大橋巨泉氏が含まれていましたね。巨泉氏は「クイズダービー」や「世界まるごとHOWマッチ」の司会など、テレビタレントとして活躍する姿が多くの人の印象に残っているかもしれませんが、1980年代末までは競馬評論家としても活動をしていました。

 

 「プロの調教師が出してくる以上、八分以上の出来」と言って、厩舎周りの取材を一切行わなかったことから【書斎派】の評論家として知られましたが、氏が競馬評論の世界から離れたきっかけは、1988年秋の天皇賞、まさにオグリキャップとタマモクロスの初対決となったレースをめぐる論争によるものでした。

 

 なお、作中で藤井がオグリキャップのダービー出走を求めて世論を先導し、提言を行ったエピソードについても、ほぼ史実準拠です。だとすると、この後更に天皇賞でもうひと悶着起こすのも確定と言えそうですね…。

 

 そして、ヤエノムテキの皐月賞は「即勝ちふたコマ」でした。クラシック競走なのにこの扱いか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これが実際の1988年春のクラシックの風景なのです。それほど、オグリキャップのインパクトは強かったんです。

 

 これに呼応するように、ヤンジャンアプリのコメント欄でも「史実通りオグリはダービーに出ないべき」という意見と「オグリがダービーを走るifを見せてほしい」という意見が激しくぶつかり合っているようです。まるで1988年の再現のような状況が2020年に起こっているなんとも不思議な状況です。

 

 個人的には、ウマ娘の「if」は、史実の救済のためにあるものと思っているので、オグリ幻のクラシック出走というのは、もしかしたらオグリキャップにとっては「救い」なのかもしれませんが、ここで救われるとその後の「数奇な運命」が一切成立しないこと、オグリが救われたところでどう考えても負けるであろう同世代組がどっちみち救われず、しかものちのドラマ要素までそぎ落とされかねないことから、ここでifを描くのは反対です。

 

 どのような形で決着するのかはわかりませんが、ここはTVアニメ1期における「天皇賞・秋を走るサイレンススズカをどう扱うのか」と同じくらいの分水嶺になると思います。

 

 ただ、今回の議論の沸騰を見て、オグリキャップは時代も次元も超えて人の心を動かす馬なのだということを、ラストランからちょうど30年、没後ちょうど10年の年末グランプリ、有馬記念を控えるこの時期に改めて感じられたのはよかったです。