馬也ホースレーシング

一口馬主・馳走(はせ・はしる)のブログです。シルクHC・ノルマンディーOC・DMMバヌーシーにて出資中。シルク2021年産・ターコイズフリンジ命名。競馬以外の話題はnoteにて発信中。 https://note.com/machino_sokoyori

タイムトゥヘヴンくん東京新聞杯10着。単距離転進へ。打開策を勝手に考えてみる。

 鞍上に大野拓弥騎手を迎え、春の安田記念出走に向けての勝負駆けとして東京新聞杯に挑んだタイムトゥヘヴンくん。今回は後方から外に持ち出そうとするもスパートしたいところできっちりブロックされ、トラックバイアスも合わず10着敗退となりました。

 

 直線で進路をブロックされ、上がりは速い脚を使うものの(今回も全体の3位タイ)足を伸ばし始めたところでゴール板、というレースになってしまったタイムトゥヘヴンくん。今回は近3走と異なり外に進路を求めましたが、きっちりと塞がれてしまいました。

 

 既に重賞制覇をしており、その際は大外からの全頭差し切りという内容だったことから、一介の条件馬ならばいざ知らず、すでに対戦相手にも手の内が知られているであろうタイムトゥヘヴンくん。昨年のエプソムカップでは、ハッピーアワー騎乗の長岡禎仁騎手のファインプレーで終始外側に蓋をされ5着に敗れましたが、今回も似たようなパターンとなり、直線坂の途中で「もう馬群がばらけて進路を確保されたところで差し切るまではいかない」という状況になるまできっちりとコースを閉められていました。

すでに他陣営の間ではタイムトゥヘヴンくんを封じ込める対策は出来上がってしまっており、今後もこの形の競馬をする限りは馬の能力がどうであれ同じ結果になるであろうことが見えてしまった格好です。3走前の富士Sに騎乗の福永祐一騎手も、この形ではこれ以上は無理という趣旨のコメントを出していましたが、その程度に実際にレースに乗っている騎手からしたら弱点がはっきり見えているということでしょう。

 

 だとすれば、打開策はどんなものがあるのか。考えられるのは「コースが開くのを待たず馬群を割って進む」ことと「スタートから先手を取って前で競馬をする」の2つくらいですが、とにかく馬群にいれたり、自分の顔の周りに何かあるとカッとなり目に見えてイライラする(ダービー卿チャレンジトロフィー勝利後の優勝レイ拒否からもわかるように)性格の馬なので、前者があまり望めそうにないことを考えると、取りうるあるいは取るべき対応は【先行策】になるのではないかなと思います。

 

 実際、未勝利戦勝ち上がりの際は先手を取って8馬身差の勝利を収めていますし、それに続く京成杯も押し出されて逃げる形になったものの前で競馬を進め、最後はコース取りの誤りもあり、内をすくったグラティアスに敗れ2着となったものの重賞でも前目の競馬での好走例はすでにある状態です。

 

 では、タイムトゥヘヴンくんがスタートから前につけるためにはどうすればいいのか。過去の戦績から「出遅れ癖があるように見える」本馬ですが、ひとくちに出遅れといっても「タイミングを合わせるのが下手」なパターンと「ゲートを出た後に二の脚がつかない」パターンがあり、タイムトゥヘヴンくんはこれまでのレース映像を見返してみると後者のように映ります。

 

 さらに細かく二の脚がつかない原因を突き詰めていくと、「トモの筋力が足りず初速についていけないパターン」と「促していくと火がついてしまい、その後息が入らなくなるので出していけないパターン」があると思うのですが、タイムトゥヘヴンくんの場合、末脚を確実に繰り出せるところから筋力不足の線はなさそうで、かつ、スイッチが入るとカッとなりやすい性質は1歳末~明け2歳の育成時代の頃からたびたび見せており、おそらくは後者のタイプなのではないかと思います。

 

 今回、タイムトゥヘヴンくんは短距離路線に転戦し、次走は3月4日のGⅢオーシャンSを目指すことが戸田博文調教師より発表されましたが、初速についていけない出遅れパターンの場合は、初速が遅くなる距離延長を選ぶはずなので、おそらくですが、戸田博文調教師もワタクシと同じような形でタイムトゥヘヴンくんを見立てていて、「仮にスタートで火がついてもそのまま行き切る距離」として、距離短縮を選んだのではないかと思います。実際に、2000mの重賞で連対できるだけのスタミナはあるので、そのスタミナを1200mで使いきろうという戦略なのではないでしょうか。

 

 現在の戦績では比較するのもおこがましいですが、かのサクラバクシンオーも中距離以上を走れるスタミナを持ちつつあり余りすぎる前進気勢のためそのスタミナをあっという間に燃やし尽くしてしまうことから短距離路線を選び、そして史上最速の一頭に数えられるまでになりました。タイムトゥヘヴンくんにも、近しい形での新境地発見を期待したいものです。

 

 

 なお、今週は急遽クロニクルノヴァくんちゃんの出走が確定しました。全く心の準備ができておらず驚きましたが、しっかりと頑張ってほしいものです。