安田記念の言い訳。イザえもんに的中と大記録を願ったらイケゾえもんが来たでござるの巻。
競馬に絶対はない、というかレースは水ものなのでちょっとしたボタンの掛け違いが大きく結果を変えたりもするもので、まさに今回の安田記念がそれにあたると思うのですが、アーモンドアイにとってはこのレースは鬼門ですね。
来年の今頃にはアーモンドアイはクラブ規約上の定年を迎えて現役を引退しているので、これで安田記念を勝つチャンスはゼロとなりました。これだけの名馬がこのレースだけはどうしても勝てなかった、というのも、時間が経てば伝説を彩る演出の一つにはなると思います。
まず、アーモンドアイの最大の敗因はスタートでワンテンポ立ち遅れたことに尽きるでしょう。これによってもろもろの動きが後手に回ってしまったのは言うまでもないですが、後手に回ったがゆえに4コーナーでの馬群の捌きもワンテンポくらいズレた、とくに近くにいたケイアイノーテックが想定以上に頑張ったことで進路がなかなか開かなかったのは大きかったと思います。とはいえ、スタートで後手を踏んでいなければあの位置取りではないはずなので、やはりこの部分の遠因もスタートにあると言えます。
結局馬群をさばいて坂を上りきったころにはグランアレグリアは既にエンジンに点火済み。3馬身以上前を走っていたため最終的には同じくらいの脚になってしまっての2着となりました。3着のインディチャンプも馬場の内側でさばきに苦労したため何とか2着を確保できましたが、「ハービンジャー馬場」を生かして外から追い込んできたノームコアにはあわやのところまで追いつめられてしまいました。
ワタクシの予想については、アーモンドアイ1着固定なのでいうまでもなく大外れ。辛うじて相手に選んだ馬が見解通りのレースをしてくれて上位独占をしてくれたのがせめてもの慰めです。グランアレグリアについては馬の能力もさることながら、池添謙一騎手がパーフェクトに立ち回ったことも大きな勝因と言えると思います。
しかしながらその池添騎手、3コーナーで前を走る馬のキックバックをモロに右目の部分に受けてしまっていたようで、勝利ジョッキーインタビューでは試合後のボクサーのように右目のまわりが腫れていました。しかも、キックバックが当たった瞬間脳震盪を起こしかけていたようで、そのような状況での冷静な騎乗、いわゆる「ゾーンに入った」状態なのかもしれませんね。
そして、今回何よりもよかったのは池添騎手の勝利ジョッキーインタビューの途中、敗れたアーモンドアイのクリストフ・ルメール騎手が氷嚢をもって池添騎手に近づき、アイシングを促したシーンでしょう。個人的には昨年のダービー確定後のダノンキングリー戸崎圭太騎手の浜中俊騎手との握手に並ぶグッドルーザーだと思いました。
【安田記念 池添謙一騎手インタビュー②】
— 競馬ブックネットSHOP (@keibabookshop) 2020年6月7日
「いいリズムの中でのあのポジションだったので、あとはタイミング一つだと思っていました(C.ルメール騎手が氷を持ってくる一幕)。しっかり反応してくれて、直線抜け出してからも踏ん張ってくれて、本当に(グランアレグリアが)よく頑張ってくれたと思います」 pic.twitter.com/EA6Xf34i6h
さて、これで春のGⅠシリーズも宝塚記念を残してひと段落となりますが、来週はワタクシ的にはGⅠ以上の大一番、ポレンティアちゃん再起の遊楽部特別です。3場開催のローカルということでいつもの池添騎手はいないため、鞍上は丸山元気騎手の予定。本日最終レースを負傷のため乗り替わりとなっていましたが、来週の騎乗に影響がないことを祈ります。もしダメだったときは、来週の函館で復帰の岩田パパとか空いてないかなあ…。
この時期の1勝クラス、3歳牝馬は52㎏で出走となるので、軽量を生かしての一発回答に期待したいと思います。