馬也ホースレーシング

一口馬主・馳走(はせ・はしる)のブログです。シルクHC・ノルマンディーOC・DMMバヌーシーにて出資中。シルク2021年産・ターコイズフリンジ命名。競馬以外の話題はnoteにて発信中。 https://note.com/machino_sokoyori

【ウマ娘】シンデレラグレイ55R オベイさん領域突入!細かすぎて伝わらないかもしれない元ネタ、西海岸の競馬とロバート・フランケル調教師について触れておくぜ。

 今週の見開きの「WILD JOKER」だけで、先週休載だった理由に納得でございます。とてつもない画力と脚本の妙にはただただ感服させられます。

 

 というわけで、最新話はアプリでも読むことができますよ。

ynjn.jp

オベイさん大迫力の今週でしたが、レース事態の進展のペースは変わらずで、決着までにはあと2~3週くらいかかりそうな勢いですね。10月いっぱいくらいでJC編を終わらせて、次の有馬記念編のラストを原作の今年の有馬記念あたりに合わせてきそうな気がします。

 

 オベイさんの領域突入の前段で、アメリカにおけるオベイさんの過去エピソードも展開されましたが、「アメリカ西海岸某レース場」は、スタンドの形状と向こう正面に生えているヤシの木が特徴的なことから、カリフォルニア州最大の競馬場であるサンタアニタ競馬場がモデルで間違いなさそうです。

 

 本編でも触れられている通り、サンタアニタの芝コースは路盤が固く非常にスピードの出る馬場として知られている一方、調教・レースいずれでも故障馬が多発(ダートコース含め)していることでも知られています。

 

 日本馬においても、80年代に北米遠征を敢行した七冠馬・シンボリルドルフはアメリカでの初戦を当地のサンルイレイSで迎えましたが、結果は6頭立ての6着、その原因がレース中に発症した骨折で、結局ルドルフはそのレースを最後に引退することとなりました。このエピソードは当時の主戦騎手だった岡部幸雄氏の著書『ルドルフの背』に詳しく書かれています。

 

 また、サンタアニタ競馬場は日本の大井競馬場と姉妹提携を結んでおり、大井競馬場ではサンタアニタトロフィーという重賞競走も行われています。

 

 さらに今回、オベイさんの調教師と、「仮面」の元となった僚バが登場しましたが、この僚バはおそらく原作のペイザバトラーが来日直前に、GⅠマンノウォーSで僅差で敗れた当時のアメリカ芝最強馬、サンシャインフォーエヴァーと思われます。サンシャインフォーエヴァーは種牡馬入り後、日本の早田牧場が購入のオファーを出したことがありましたが断られ、その代わりに購入したのが本馬のいとこであるブライアンズタイム、ウマ娘にもなっている名馬でいえばナリタブライアン(早田牧場産)やマヤノトップガンの父です。

 

 そしてオベイさんのトレーナー。本作のトレーナーは原作馬の調教師や主戦騎手がモチーフにとられることが多いですが、クリス・マッキャロン騎手の情報を支配するクレバーな側面はオベイさんに受け継がれ、この調教師のモチーフになったのはペイザバトラーを育てた名伯楽、ロバート・フランケル調教師と思われます。

ja.wikipedia.org

 

 ロバート・フランケル調教師はいまだ破られない年間GⅠ25勝の記録を打ち立てたアメリカを代表する調教師の一人で、無敗の欧州最強馬フランケルの馬名は、2009年にロバート・フランケル調教師が白血病で逝去したことを受け、生産者でオーナーであるジュドモンドファームの代表、ハーリド・ビン・アブドゥッラー王子がその名を付けました。

 

 作中のオベイさんのトレーナーは九州訛りの日本語をしゃべっていますが、これはおそらくロバート・フランケル調教師の代表的な管理馬の一頭で2001年のブリーダーズカップスプリントを制したスクワートルスクワートが、現在は日本に輸入され九州で種牡馬生活を送っていること、そして、今年史上初の熊本県産重賞勝ち馬となったヨカヨカの父であることが由来なのではないかと思われます。

 

 久しぶりに元ネタ解説記事がはかどる濃厚な回でした。