馬也ホースレーシング

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【祝!】デアリングタクトの無敗牝馬三冠達成に曽祖父の影を見た件。

 秋華賞は、史上初となる無敗の牝馬三冠達成にリーチをかけていたデアリングタクトが、単勝オッズ1.4倍の圧倒的人気にこたえて見事に勝利、三冠達成となりました。

 

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 大きなプレッシャーのかかる中、終始デアリングタクトの前後左右に十分なスペースを取り、大きな不利を受ける可能性を極限まで減らしつつ、多少のロスを織り込み済みで走り切らせた松山騎手のファインプレーにはただただ脱帽でした。

 

 向こう正面のパトロール映像を観てみるとよくわかるのですが、

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松山騎手はごらんの通り馬群を大きく避けて不利を受けないようにしつつ、かつ、パドックや返し馬でテンションの高さを指摘されていたような部分への対策として、ほかの馬と競らないような位置取りをしっかりと取っています。

 

 デアリングタクトはこのまま最後の直線まで終始外目を通っていくのですが、おそらくレースを通じてトータルでのロスは15~20メートル程度、約3馬身くらいは他の馬よりも余計に走っている計算となります。

 

 記録上の2着マジックキャッスルとの着差1.1/4馬身と、秋華賞を非抽選となり、直前に行われた大原ステークスに回ってそこを圧勝したレイパパレの勝ちっぷりから、果たして今回最強だったのは本当にデアリングタクトなのか?という疑問が一部で上がっているようですが、この位置取りの仕方とレースの組み立てを見る限りは、デアリングタクトがやはりこの世代の最強馬なのではないかとワタクシは思います。

 

 また、この画像を見てもわかる通り、そのほかの上位人気馬がデアリングタクトに勝つためには、より前に、より内側に活路を求める必要があったことがわかります。しかし、各馬がそこに殺到して終始競り合う形になったため、最後の直線では総崩れとなってしまいました。

 

 このことで台頭したのが、デアリングタクトの直後をついていく形で回ってきて、最終的に2着となったマジックキャッスルです。そして、3着以下の上位入線も前に行った人気馬が総崩れになる展開のおこぼれを拾う形で、3着9番人気(ソフトフルート)、4着12番人気(パラスアテナ)、5着16番人気(ミスニューヨーク)といった、典型的なヒモ荒れ決着となりました。

 

 このような結果になったのは、ひとえにデアリングタクトが上位人気馬を真っ向勝負によってことごとく打ち負かしたからにほかならず、その走りっぷりは、現役時代GⅠ4勝のうち3回、2着に2ケタ人気を連れてきた曽祖父スペシャルウィークを思い起こさせます。

 

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 スペシャルウィークは98年のダービーで14番人気ボールドエンペラーを、99年天皇賞・秋で12番人気ステイゴールドを、そして、99年ジャパンカップでも12番人気のインディジェナスをそれぞれ2着に連れてきて、大舞台でのヒモ荒れ誘発でも知られました。その理由として語られるのが「スペシャルウィークが、常に強い馬に対して真っ向勝負であった」ということです。

 

 デアリングタクトにも受け継がれた「真っ向勝負」の魂は、これからの競馬会を大いに盛り立ててくれるのではないでしょうか。