馬也ホースレーシング

一口馬主・馳走(はせ・はしる)のブログです。シルクHC・ノルマンディーOC・DMMバヌーシーにて出資中。シルク2021年産・ターコイズフリンジ命名。競馬以外の話題はnoteにて発信中。 https://note.com/machino_sokoyori

【ウマ娘】シンデレラグレイ15R ジャンプ漫画みたいな熱量だな! ※ヤングジャンプ連載です。

 いよいよオグリキャップにとってカサマツラストレースとなるゴールドジュニアが決着です。久住太陽先生が「来週泣かす」とツイッターで予告していましたが、まさにその通りになりましたね。

 

 キタハラ、オグリ、マーチのほかそれぞれが流す涙の描写の対比はとても美しいものでした。久住先生の予告に偽りなしでした。 

 

 本編は今週もヤンジャンアプリで無料で読めます。

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 今回の冒頭のキタハラジョーンズの「走れ!」の絶叫からゴールまでの一連のやり取り・モノローグはいずれも完璧なものだったと思います。もちろん、いずれのフレーズも今回のストーリを引き立てる言葉たちばかりであるのは言うまでもないですが、特にキタハラジョーンズのモノローグ

 

お前が時代を作れ!

世の中を変えてやれ!

お前の走りが人を励まし

勇気づけ

生きる力を与えろ!

 

 

これって、原作(史実)を知っている人ならばもうお分かりのことと思いますが、この後に続くオグリキャップのストーリーそのものなんですよね。

 

 ワタクシは、オグリキャップというのは日本の競馬で唯一「時代を作った馬」なのではないかと思っています。

 

 ハイセイコーのように地方競馬から中央に移籍して大人気を博した馬は他にもいます。オグリキャップより多くのGⅠ勝利を手にした馬もたくさんいます。オグリキャップよりも賞金を稼いだ馬も他にいっぱいいます。いつかのJRAのCM「夢の第11レース」を実際に行ったらオグリキャップに勝つ馬もたくさんいるでしょう。

 

 しかしながら、「時代を作った」競走馬というのはオグリキャップ以外にはいないのです。例えば、「オグリ以前」と「オグリ以後」の競馬場のスタンドの雰囲気などを比べてみればそれは一目瞭然です。家族が連れ立って訪れ、ノベルティグッズが売られている娯楽施設という姿は、オグリキャップのブームがなければあり得なかったものです。

 

 そうして、ある種のスター・アスリートとしての競走馬像が作られたからこそ「ダビスタ」のヒットや週刊少年漫画各誌での競馬漫画同時連載など、90年代のエンターテインメントとしての競馬が展開され、オグリキャップからはやや離れますが、時を同じくして生産界ではサンデーサイレンス旋風が巻き起こり、競馬サークルの各所で今に至る競馬の姿が形作られていったのが1990年代であり、その扉を開けたのがほかならぬオグリキャップなのです。

 

 これこそが、オグリキャップのストーリーを、あの有馬記念からちょうど30年後、そしてオグリキャっプ没後10年になるこのタイミングでやる意味なのではないかと思っています。

 

 

 このほか漫画的表現としては、オグリキャプのキタハラジョーンズの呼び方が片仮名の「キタハラ」から漢字の「北原」に変わるところがエモかったですね。

 

 要するに、「表音文字」から「表意文字」に表記が変わったことで、オグリキャップにとって北原の存在がより特別なものになった≒特別な意味を持ったことを表しているわけですが、これは文字でしか表現できないもので、メディアの特性を生かした本当に秀逸な表現だと思います。

 

 いよいよ、シンデレラグレイも中央に舞台を移して新章へと突入していくことと思いますが、さらなる熱量と、逃げずに描かれる光と影のコントラストに期待をしたいと思います。