【一口馬主】シルク2019年産募集馬 気になる馬をじっくり吟味するぜ(キタサンブラック産駒はいいぞ編)
今年も多くのPVをいただいておりますシルク募集馬のレビューですが、今年のラインナップでは特にキタサンブラック産駒が飛び抜けてよく見えます。これはシルクに限らず他クラブの募集馬もなのですが、やはり骨格がしっかりしていて、かつ、柔軟性のありそうな筋肉を産駒に伝えているところが大きいのではないでしょうか。
シルクの2019年産募集馬でキタサンブラック産駒は全部で5頭。このうち、ポレンティアちゃんの弟ぎみであるところのポーレンの17は既にレビューしたので、残りの4頭についてみていきたいと思います。
◆シャトーブランシュの19
一口価格:8万円 美浦・木村哲也厩舎
体高158.0㎝ 胸囲177.0㎝ 管囲20.7㎝
馬体重439㎏
現時点で既にかなり骨太な測尺の数字を出していますが、馬体写真を見ると全体的にスッキリとしていて均整の取れた素軽そうな体つきをしています。また、これはキタサンブラック産駒のほとんどに共通して言えることなのですが、歩かせてみるとさらに良く見える馬が本当に多いですね。この馬についても四肢の可動域が広く、かつ柔軟性に富んでいて、特にトップラインを全部使いながらの歩き方からは良質なバネ感を感じます。
しいて言えばトモまわりにもう一息筋肉が欲しいところですが、ディープインパクトと全血のブラックタイドの特徴がしっかり出ているのであれば、広範な関節の可動域とパワーウエイトレシオの小ささを生かしての切れ味のある末脚を期待することもできそうです。
価格的にはこのクラブの募集馬のちょうど中央値に近いところもあり、競争率はかなり高そうですね。また、木村哲也調教師は比較的しっかりと稽古で追ってくれるので、タフな骨格を持っていてこれから筋肉のボリュームが欲しい馬にはもってこいの厩舎だと思います。
◆サマーハの19
一口価格:8万円 美浦・藤沢和雄厩舎
体高155.0㎝ 胸囲171.0㎝ 管囲19.6㎝
馬体重446㎏
半兄にシャケトラを持ち、一つ下の弟(父・サトノダイヤモンド)は先日のセレクトセール1億円越えの好評価を得ました。母サマーハはコンスタントに勝ちあがり産駒を出していますが、現時点での最高傑作ともいえるシャケトラを見てもサンデーサイレンス系との相性は好適で、一つ上の姉サヴァニャン(父。ディープインパクト)もかなり期待されていますが、本馬はここにテスコボーイのフレームとスピード感を上乗せしたような血統構成で、さらに大きな期待ができそうです。
測尺の数値も申し分なく、前述のシャトーブランシュに近い数字ながら、筋肉量の点でいうとよりこちらの方が現段階での完成度は高そう。入厩先は超名門・藤沢和雄厩舎ですからデビューに向けての仕上げについては全幅の信頼を置くことができるでしょう。ただし、ご存知の通り藤沢先生が定年間近なため、現役生活中に転厩があることだけは忘れずに覚えて置きたいところです。その点を除けば現段階で非の打ちどころのない一頭と思われます。
◆ブラックエンブレムの19
一口価格:7万円 栗東・藤原英昭厩舎
体高157.0㎝ 胸囲171.5㎝ 管囲20.5㎝
馬体重422㎏
マルーンエンブレムなどを見ても分かる通り、比較的産駒が小さく出がちな母ブラックエンブレムですが、本馬は標準的なサイズまで成長しそうな測尺の数値です。きょうだいにすでに3頭のブラックタイプがおり、うちブライトエンブレムとウィクトーリアは早い段階で重賞を制しており、この馬も仕上がりの早さが期待できます。
馬体については、筋肉量はまだまだこれからといった印象を受けますが、とにかく柔らかそうで無駄がないのは大きな美点と言えます。前脚のすらっとした感じは、シルクのキタサンブラック産駒の中でも屈指で、この点は大変好印象です。
歩様についても後肢の踏み込みがもう一声ほしいところですが、ここについては今後の筋肉の発達待ちの部分だと思うのでそれほど気にしなくてもよさそうです。動きのバランスはこの馬も良好です。
◆スイープトウショウの19
一口価格:6万円 栗東・清水久嗣厩舎
体高160.5㎝ 胸囲185.0㎝ 管囲19.8㎝
馬体重495㎏
既に500㎏手前の馬体重があり、おそらく父の現役当時に近い出走馬体重になるのではないでしょうか。こうなってくるとその筋肉を支える骨格の強さやしなやかさが懸念のポイントになってきますが、骨量は十分にありそう。あとは柔軟性次第になってきそうです。母スイープトウショウはそこそこの活躍馬を出しながらも重賞まではもう一歩という産駒実績ですが、入厩先が父キタサンブラックと同じ清水久嗣厩舎であるのは大きなプラスポイントだと思います。
ともあれ、サブちゃんが健在の間に「いいおとっつぁん」になれそうなキタサンブラックです。