馬也ホースレーシング

一口馬主・馳走(はせ・はしる)のブログです。シルクHC・ノルマンディーOC・DMMバヌーシーにて出資中。シルク2021年産・ターコイズフリンジ命名。競馬以外の話題はnoteにて発信中。 https://note.com/machino_sokoyori

【ウマ娘】シンデレラグレイ5R とあるひとコマに並々ならぬホースマンシップを感じたぜ。

 今週も木曜日がやってまいりました。今週出走予定だったスターズプレミアくんの出馬確定もありましたが枠順が出るのは明後日なので、本日は木曜恒例の「ウマ娘 シンデレラグレイ」でございます。

 

 今回ももちろんヤンジャンアプリで読むことができますが、

ynjn.jp

本誌を購入してアンケートはがきを出しましょう。

 

 さて、今回はデビュー2戦目に挑むオグリキャップとノルンエースの対決が描かれました。先週の感想(考察?)でも触れた通りノルンエースは、史実では7頭立てのレースに8枠8番として出走してきました。「シンデレラグレイ」としては初のif展開となります。

 

 レースは史実の通りにオグリキャップの初勝利で幕を閉じますが、オグリキャップを妨害することをたくらみ、そして失敗するノルンエースの描写と、ウイニングライブを通じてオグリキャップの理解者・支援者となっていきそうな展開は少年漫画の王道展開を地で行っており、読んでいて非常に楽しいですね。出る杭は打たれるというのは良くある話ですが、実力差が大きすぎるともはや尊敬の対象になる。別の馬ですがJRAのCMにもあったように、まさに「嫉妬すら追いつかない」というやつですね。

www.youtube.com

この後に続くフレーズ「憧れすら届かない」を思うと何とも切ない感じはしますが、これもまたウマ娘のレースパートの熱量を盛り上げるスパイスだと思います。

 

 そして、初勝利のウイニングライブがギャグパートになるのももはや定番のパターンですね。ここも大変面白かったです。オグリキャップが踊った「カサマツ音頭」自体は久住太陽先生による創作のようですが、

実際には「新笠松音頭」という曲があって、笠松町がオフィシャルでこの曲をベースに介護予防普及啓発・体操の推進の目的で作成した、新笠松音頭に合わせた体操として「笠松体操」というものを発信しています。

www.youtube.com

みんな、タオル曲だよ!

 

 

◆今回、どうしてもブログの形で残したかったこと

 レース結果は史実に忠実に描かれながらも多くのif要素を含んだ今回のエピソードの中でどうしても触れておきたいひとコマがあって、それはレースが終わってなぜ妨害をしなかったのかと問われたノルンエースが、しなかったのではなくてできなかったと答える会話の中に出てきた「一緒に走ったから分かる…」というセリフで、このセリフを考えたのが久住太陽先生なのか杉浦理史さんなのか、はたまた伊藤隼之介さんなのかは分からないですが、この言葉からワタクシは誠に勝手な解釈とは思いつつも、当時の笠松競馬関係者、特にオグリキャップ以外の各馬の関係者へのリスペクトを感じ、この作品の制作にかかわっている人たちのホースマンシップが本物であることを強く感じました。

f:id:chisounin:20200710164721p:plain

 ご存知の通りオグリキャップは笠松で無類の強さを誇ったのちにJRAに移籍、日本競馬史上屈指のスターホースとして今なお語り継がれるようになったわけですが、まだその結末の見えていない、当時の笠松競馬関係者の思いはいかばかりだったことでしょう。その後のオグリキャップの活躍をもって「笠松の誇り」と関係者が口々に言うのはあくまでも結果論で、少なからずJRAに「持って行かれた」という感情がその当時あったとしても不思議ではありません。

 

 とはいえ現在残っている文献はいずれもオグリキャップの活躍をもって後日著述されたものばかりで、オグリキャップの笠松時代の関係者の証言や心情をそこから追いかけることは可能ですが、それ以外の馬の関係者や主催者まわり、あるいはファンの人たちの心情を読み取ることは不可能。現在は当時から30年以上経過して、当時の関係者ですでに競馬界から去っている方も、亡くなられている方も多く、実際のところを知るすべはもうほとんどありません。

 

 ただ、もしその人たちに取材することがかなって、かつ、その人たちからしか得られないコメントがあるとしたらどんなものだろうか。そんな想像をしたとき、それにあたる言葉が「一緒に走ったから分かる…」なのだとワタクシは思います。それこそ「嫉妬すら追いつかない、憧れすら届かない」存在となっていくオグリキャップを同時代に見守り、そして共に「走った」人たちの偽らざる気持ちとして。

 

 そのような人たちに思いを致すウマ娘シンデレラグレイ制作陣のホースマンシップを、ワタクシはリスペクトします。やっぱり、ウマ娘の「if」は競馬にかかわる人たちの思いを「救う」ためにある。そう感じたひとコマでした。もしかしたら制作サイドにはそんな意図などないのかもしれませんが、もしそうだとしたら自然にこのフレーズにたどりついた姿勢をなおさらリスペクトしてしまいますね。