馬也ホースレーシング

一口馬主・馳走(はせ・はしる)のブログです。シルクHC・ノルマンディーOC・DMMバヌーシーにて出資中。シルク2021年産・ターコイズフリンジ命名。競馬以外の話題はnoteにて発信中。 https://note.com/machino_sokoyori

フェブラリーSを振り返る。フェアで見ごたえのある2019年初GⅠ

インティのGⅠ初優勝となったフェブラリーS、

それぞれの陣営がそれぞれのベストを出し、

高度な戦いを繰り広げたフェアで見ごたえの

あるレースでした。

 レースの大まかな流れと結果は以下の

ニュースをご覧ください。

news.netkeiba.com

 

◆序盤「行ききれた」インティに軍配

勝ち馬インティは、向こう正面で先頭に立つと

そのまま最後の直線でも突き放しての勝利。

アンジュデジールが直前に回避したことで

スローペースが予想されていたレースですが、

サクセスエナジーがパドックで二人引きの

厩務員をぐいぐいと引っ張るような入れ込み

気味の気勢を見せていたことから、

スタートから隣のインティに競りかけて

行くことも考えられたものの、スタート後

きっちり折り合って3番手につけたことで、

インティが楽に逃げる展開となりました。

 

このことで、インティは最後の最後、

クビ差ゴールドドリームを凌ぎ切ったとも

いえ、入線後2完歩ほどでゴールドドリームに

交わされているところからも、抜群のペース

読みと仕掛けを冷静に遂行、キッチリ

クビ差残した武豊騎手のファインプレーと

言えるのではないでしょうか。

 

インティのオーナーはかつてメジロ牧場の

場長としてメジロマックイーンや

メジロライアン、メジロドーベル親子を

武田茂男氏。東京競馬場内、競馬博物館での

秋季特別展「メジロ牧場の歴史~”白と緑”の蹄跡」

最終日にして、メジロ牧場の開祖、

北野豊吉氏の命日にオーナーとして初の

GⅠ制覇。実にドラマチックな結末となりました。

headlines.yahoo.co.jp

 

 

血統的にも、今後の種牡馬入りを考えると

とても夢がある馬なので、ここについては

別記事を作ろうと思います。 

 

◆ルメールVS武豊の高速馬上チェス

2着のゴールドドリームとルメール騎手も

完璧なレース運びをしたと思います。

 

アンジュデジールの回避に伴い、予定より

1頭ほどまで競馬をしてくるだろうという

ワタクシの想定は見事的中。17年の

優勝時コーナー通過順【9-8】、

昨年2着時のコーナー通過順【10-8】に

対して、今回は【6-6】。

考え得る限りベストな位置取りと

仕掛けで、4コーナーを回ったところでは

勝ったかと思って観ていましたが、前述の

インティ&武豊騎手のファインプレーの前に

わずかに届きませんでした。

 

ゲートを出てからわずか100秒弱、

ルメールVS武豊の実に見ごたえある

超高速馬上チェス、お見事でした。

 

◆「ラクな競馬」に徹した3、4着馬

3着ユラノトと4着モーニンは、人気的に

マークの緩む中で、好位~中団の

今回の展開の中では比較的負荷の

かかりづらいポジションで進められたことが

そのまま好結果につながったと言えるでしょう。

 

特にユラノトは、個人的にベストターンド

アウト賞モノと思えるくらいパドックでは

好気配で、

しっかり仕上がった馬がラクな競馬で

上位に食い込んだのは、必然の結果です。

 

逆に、4着モーニンの位置取りには驚かされました。

直近2走のコーナー通過順が、2走前の

JBCスプリントで【11-11】、前走の

根岸Sでは【12-13】でしたが今回は

【5-3】。ただ、3年前のこのレース

優勝時は【4-4】なので、本来的には

前目の好位で進めたほうがいい馬

なのでしょう。

 

昨冬の芝挑戦が脚質を崩した原因

だとすれば(この後、前に行けない

競馬が続いていたので)、もし

ここに来て立て直しに成功したのならば

もうしばらくダート短距離界では

馬券的においしい場面も出てくる

かもしれません。

 

◆藤田菜七子、大健闘の初GⅠ5着。

今回の大きなトピックスの一つは、

やはりこれでしょう。展開待ち、

戦法の限定された中で最善を尽くし、

4コーナー最後方の時点では

ジ・エンドと思われましたが、

しっかりと追われて上がり2位の

末脚で5着確保。クラスは全然違いますが、

我が愛馬ステリーナに騎乗した際も

似たようなレースぶりを見せて、その

手腕に感心したものですが、

 

chisou-horse.hatenablog.jp

 今回も手腕の成長を強く感じる騎乗でした。

 

興業面でも大きな貢献となり、

news.netkeiba.com

十分な賞金と手当てを手にしたコパオーナー&関係者、

藤田菜七子騎手のマネジメントを請け負うホリプロ、

来場したファンと、なによりも馬券売り上げを伸ばした

JRAすべてがwin-winの「大商い」となったと思います。

 

◆自分の競馬ができなかった有力候補勢

上位陣がそれぞれ説得力十分の好走を

みせる中、10着に沈んだオメガパフュームは、

左回りの不得手以前に、楽に進めたいポイントで

ノンコノユメに競りかけられてしまい、

無駄に削られてしまったこと、ブービーの

ノンコノユメは枠内駐立不良からの

大出遅れと、それを取り戻そうとして

スイッチが入りすぎての暴走が原因で

それぞれ自分の競馬をすることなく敗退。

まるで根岸SサンライズノヴァのVTRを

観ているような競馬でした。

 

オメガパフュームにとっては災難な

レースとなってしまいました。

次走、帝王賞であればもう一度

狙ってみようかなと思います。

かしわ記念ならば、「即切り」です。

 

ともあれ、全体的に内容の濃い、

全周パトロールを見ても非常フェアな、

振り返りがいのある2019年初GⅠでした。

 

馬券的にはダメでしたが、示した見解が

大枠で的を外さない結果となったのは

よかったと思います。