馬也ホースレーシング

一口馬主・馳走(はせ・はしる)のブログです。シルクHC・ノルマンディーOC・DMMバヌーシーにて出資中。シルク2021年産・ターコイズフリンジ命名。競馬以外の話題はnoteにて発信中。 https://note.com/machino_sokoyori

【日高の意地VS安平の意思】今年の牡馬クラシック戦線が「マキバオー」や「ウマ娘」もビックリなくらいドラマチックになってきた。

秋競馬の開幕と同時に、クラシック最後の一冠に

向けてのトライアルレースも開始。菊花賞トライアルも

今週はセントライト記念セントライト記念が行われます。

 

春のクラシック戦線は、まず一冠目の皐月賞を

エポカドーロが、続く東京優駿をワグネリアンが

制しましたが、改めて見返してみると、

この2頭は競馬史に残るドラマチックなライバルに

なりそうな予感がしてなりません。

 

◆「三冠馬の息子」同士の威信を賭けた戦い

エポカドーロの父オルフェーヴル、ワグネリアンの

父ディープインパクト、それぞれ言うまでもなく日本競馬史に

燦然と輝く三冠馬ですが、異なる三冠馬の産駒が春の

クラシックを分け合うのは今年が史上初。

我々は実に贅沢な対決を現在進行形で観ているわけですな。

 

◆日高のプライドを一身に背負うエポカドーロ

エポカドーロの生産者は新ひだか町の田上徹牧場。

近年、社台グループの躍進に押される日高産の

馬の中から登場した本馬。オーナーも日高の牧場の

共同出資により設立されたユニオンオーナーズクラブ。

 

初年度募集のサンドピアリスが最低人気でエリザベス

女王杯を制したのは有名ですが、それ以降はサンビスタまで

JRAのGⅠ制覇はなく、牡馬のクラシック戦線については

97年にヒダカブライアンが有力候補に名前を連ねたくらい。

 

そんな中で設立32年目にして皐月賞を制した

エポカドーロは、間違いなく「日高の星」なのです。

 

◆「意志あるところに道あり」ワグネリアン

かたや近年飛ぶ鳥を落とす勢いの安平町・ノーザンファームで

生産されたワグネリアン。父ディープインパクト、母ミスアンコール、

母父キングカメハメハ、母母ブロードアピールいずれも金子真人氏

所有の馬による配合で、いわば「リアルウイニングポスト」を

体現する本馬は、早くからクラシック候補と目されていました。

 

弥生賞2着→皐月賞4着の後、ダービーに駒を進めた

ワグネリアンに降りかかった第一の悲劇、それは

幼少期よりノーザンファームで共に育った幼なじみ、

オブセッションの死でした。

 

その悲劇から数日後、8枠17番の決して有利とはいえない

枠番から先団に取りついて、最後はエポカドーロを

わずかに差し切り東京優駿制覇。

 

鞍上・福永祐一騎手にとっては1998年の

キングヘイローでの初騎乗(14着)から20年、ダービーを

勝つことなく志半ばでターフを去った父・洋一氏の騎手

デビュー(1968年)から丸50年、親子2代にわたるまるで

大河ドラマのような悲願達成となりました。

 

夏を越えて秋初戦に備えるワグネリアンに、さらなる悲劇が

遅いかかります。9月6日に発生した北海道胆振東部地震で、

母ミスアンコールがノーザンファーム繋養場で唯一の

犠牲となってしまったのです。

news.netkeiba.com

馬自身に肉親の死がわかるのかどうかはわかりませんが、

ノーザンファーム関係者にとっては悲しい出来事が

続いたわけで、それを乗り越えるための勝利が欲しいのは

恐らく間違いのないところ。まさに「意志あるところに

道ありを体現するようなワグネリアンの活躍が期待されます。

 

◆そして現れる「第三の男」候補たち

エポカドーロとワグネリアンのほかにも、ダービー

惜敗から復帰戦の新潟記念を制し、オブセッションとは

育成厩舎で同厩だった「真の幼なじみ」ブラストワンピースや、

ダービー馬レイデオロを兄に持ちながら、両ひざの骨折で

同期から出遅れたレイエンダの捲土重来など、見所の

多くあるこの秋の牡馬クラシック戦線。

 

「事実は小説よりも奇なり」のドラマを楽しみましょう!!