南関競馬・臓モツ飽食記~食の公営競技文化遺産~
競馬ブログで食のネタをやるなら避けられないのが、
おおよそギャンブル場において必食であるところの
「煮込み」や「モツ焼き」である。
まあ、ファミレスにとってのハンバーグ
みたいなものと思いねえ。
もちろんJRA各競馬場でも広く親しまれている
これらのメニューであるが、
「地方競馬が、濃い。」
というのはレースそのものだけに限らない話で、
それぞれの競馬場で独特の個性を放つ、
南関のモツ事情を改めてご紹介申し上げたい次第。
◆しゃらくさフードコートに押される大井
いきなりこんな見出しで、誠に恐縮である。
キングオブギャンブルメシ「煮込み」が、
こともあろうに南関最大勢力であるところの
大井競馬場で隅に追いやられつつある
ゆゆしき事態が発生してるんですのよ奥さん。
数年前にスタンドの改築が行われた大井競馬場、
ワタクシも先日の東京スプリントの日に
久方ぶりに訪れたのだが、新スタンドの、
公営ギャンブル場にはおよそ似つかわしくない
オサレなたたずまいにただただ唖然。
とりあえずビール、の勢いよろしくとりあえず
「煮込みとチューハイ」を決め込もうと思いきや、
新スタンド周辺にはそのような店もなく、
イオンモールのフードコートか高速の
サービスエリアかとでも思わされるような店ばかり。
いや、決してそれらを否定するわけではないし
何ならワタクシ自身よく利用するわけなのだが、
そこはTPOってモンがあるでしょうよというわけで…。
ようやくたどり着いたのが、大井臓物ラストリゾート、
「幸福堂」
到着後即煮込み発注、そして着丼。
味噌と醤油で荒々しく味付けされた煮汁に、モツが
くせえからとりあえずブッ込んどけと大量に投入された
ショウガの香りがすばらしい一品。
モツは丁寧にゆでこぼしをされていて脂分を
しっかりと抜いており、しつこくなく食べやすい印象。
これ以上ないほど正しいギャンブルモツ煮が
これからも大井競馬場に残り続けることを
願ってやまないのである。
◆南関煮込み入門・川崎競馬場「志ら井」
ひとえに「もつ煮」といっても、個性は様々。
まずは入門編にオススメしたいのが川崎競馬場
2号スタンド2F「志ら井」のもつ煮である。
大井競馬場同様数年前にスタンド改装となった川崎競馬場。
ただし、大井と違いショッピングモールが隣接したことにより、
ギャンブルメシの漂白化がなされなかったことは、
ファインプレーと言えよう。
この「志ら井」も、装いはきれいになったもののメイン
メニューのカレーライスも含めて気骨ある品ぞろえ、
程よく食べやすいモツの脂抜きか減としつこくない
味噌仕立ての煮汁は、ギャンブルメシ入門編としては最適。
喰い足りない歴戦の勇者諸兄は、「馬王」の大判焼き
150円にも手を伸ばされたい。
◆一等地に「田久保」を置く船橋競馬場の漢気
個人的に南関臓物で一番のお気に入りは、
船橋競馬場にある「田久保」
パドックと場外馬券場「アタリーナ」(日曜日はJ-PLACE船橋
として、JRAのメインレースを場外発売)に隣接してこの
ダイナミックな店構え。これを南関臓物パラダイスと呼ばずして
なんと呼ぼうか。
煮込みは、大井「幸福堂」とは真逆に、ホルモン特有の
脂がこれでもかと攻めてくるこってりタイプで、プラス150円で
煮込み丼にすると暴力的に食が進む一品。
また、1本150円のモツ焼きが絶品で、在りし日の東出剛を
思わせる渋みがかった風貌のマスターが1本1本丁寧に
焼いてくれます。
昼メシにこれだけ食べに船橋競馬場に行きたいレベル。
まだまだ食い足りない諸兄は、スタンド3F
「優店」の牛モツ串1本100円で、デザートホルモンと
洒落込むのもまた一興。
赤モツと白モツの2種類ありますが、
ギャンブル場ではポピュラーな
赤モツって、結局何臓なんすかね?
→フワ(肺)だそうです。ハイ。
【2019/5/6 追記】
本記事を公開してちょうど1年。かしわ記念の
観戦記に「東西売店」のモツ串について
増補記事を書きましたので、ぜひそちらも
ご覧くださいませ。
◆キングオブギャンブルメシ!!浦和競馬
さあ、真打登場である。
まずはこの写真をご覧あれ。
もはや説明要らずのギャンブルメシの殿堂、浦和競馬の
売店群である。端から端まで「いかにも」なメニューが
並ぶ最強の店構え。
そしてこの煮込みと焼き鳥串(売店「優駿1号」)である!
煮込みは、大井のそれとも船橋のそれとも異なり、
脂の抜き加減が絶の妙で、「くせえならショウガ
ブチ込んどけばいいじゃない」と言わんばかりの
おろしショウガが口の中に残ることもない丁寧な仕事。
何杯でも食える、ギャンブルメシの最高峰と言えよう。
そして、この焼き鳥。コラーゲン、いや、ここは
日本語で「膠原質」と呼ばせていただこう。
とにかくプリップリのプリであるよ。
特にほかでなかなか見られない「鳥ハラミ」など
脂の乗り具合も最高で、これを食ったらしばらく
他の焼き鳥が食えなくなるレベル。
脂で胸焼けにしそうになったら、キュウリの一本漬けを
かじれば即リセット。ギャンブルメシの
ラストリゾートがここにある!!
改めて申し上げるが、この浦和のギャンブル飯、
公営競技文化遺産に登録して今すぐ保護するべきであろう。
そんな制度無いけれど。
とにかく、これだけは申し上げたい。
競馬場でモ○バーガー食うやつは懲役2年だ。
繰り返しですが、普段から愛用させていただいて
ますよ、ワタクシ。ただ、TPO的にはね。
というお話でございます。
さあ、バクチ打ちならモツを喰え!!